ストロベリーショートケーキ
 


「まだまだ子どもだよ、ゆあは。」



けーちゃんはたまに、いじわるを言う



「子どもじゃないのー!!!……ふぇっ、くし!」



ムキになって返せば、またくしゃみが出た。



「ほら、お子様は風邪ひくから早く部屋入んな」



そうやってまた、子ども扱い



「やだ」

「ゆあ、我が侭言うなよ
ほんと心配なんだって」

「けーちゃんが入るまで入んないの!オトナだから!」



これがゆあの、日課なんだから。

だいすきな人を陰で見守ってる女って、大人な感じがするでしょ?

まぁ、もうばれちゃったから"陰"じゃないんだけど…



「はいはい、わかったよ」



降参したのか、けーちゃんが自転車に鍵をかけて家のドアノブに手をかける。

ドアを開く前に、けーちゃんがもう一度ゆあの方を見て言った。



「いつも、ありがとう」



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