ストロベリーショートケーキ
「おい、ゆあなんだよ」
ゆあが出てからすぐ、やっぱりシンも出てくる。
あっという間にゆあの横まで来て、顔を覗き込まれた。
「だって…シンが…ヘンなこと言うから……」
ゆあのこと…す、好きとかって。
それもサラァーっと。
「…あー、昨日の?」
思い出したようにわざとらしく言うと、シンはニヤッと笑った。
「なにもしかして意識してんの」
「ちっ、違うもん!!!」
「だろーな。どーせお前は昔っからけーちゃんけーちゃん言ってるし」
う……。
だ、だって
ゆあはけーちゃんが好きなんだから仕方ないじゃん。
「ゆあさ、ずっと兄貴のことばっかで俺のこと全然知らないよな」
「えー、そんなことないよ!?」
「そんなことあんだよ」
シンはゆあの頭をグシャグシャッてしてからずんずんと先を歩いてく
「そんなことないってば!!」
それを追いかけながらシンの背中に叫んだ。