ストロベリーショートケーキ

10.さりげない優しさ




「うわ、ひっでー顔」



朝、チャイムを押すとシンが珍しくすぐに出てきた。

そしてゆあを見た第一声がこれ。

だって昨日はずっとずーっと泣いてばっかで、目が腫れちゃったの。



「仲直りしてねーの、兄貴と」



シンの言葉に、横に首を振る。



「違う、たださみしくて」

「は?何が」



何がって、知ってて言ってくれなかったくせに



「けーちゃん、留学するんでしょ卒業したら」

「は?なにそれ聞いてねーんだけど」



え…?

シン、知らないの?



「それマジ?」

「うん、まじ。」



だって本人から聞いたんだもん

でもシンは本当に聞いてなかったみたいですっごく険しい顔をしてた。



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