ストロベリーショートケーキ
キッと自転車のブレーキの音がした。
目の前にいるシンの向こうに、けーちゃんがいた。
「………ゆあ」
けーちゃんに、聞かれてた。
今の全部
シンもけーちゃんに気づいて、話しかける
「なぁ、何だよ急にフランスって」
「…別に急じゃない、俺はずっと前から考えてた事だから」
けーちゃんはそう言ってから、少し首を傾けてシンの後ろのゆあを見る。
「ゆあ、ちょっと話したいことがあるんだ」
話…?話って、なに?
「話?こんな状態で無理だろ」
シンの声が怒ってる。
そしてゆあを振り返って家の方に背中をぐいぐい押す。
「ゆあ、今日お前休め
そんな顔で学校行けねーだろ」
「だっ、大丈夫だよ…べつに…」
「いーから」
ぐいぐいとゆあの背中を押すから、シンの表情も、けーちゃんのカオも、わかんない。
「なぁ、俺は本気でゆあのこと好きなんだよ、ずっとずっとガキの頃から
だから同じように想ってないなら中途半端に邪魔すんな」
「……………」
けーちゃんは、何も言わない。
そうだよね、だってけーちゃんは
女の子としてゆあのこと好きなわけじゃないもんね。