ストロベリーショートケーキ
気づいたら、シンと2人でゆあの部屋にいた。
ベッドに寝てるゆあの横に、さっきから黙ってシンが座ってる。
「ねー」
「…なんだよ」
少し、いじわる言っちゃお。
「嘘かと思ってたけど、シンって本当にゆあのこと好きだったんだね」
「は?」
シンは眉毛の間に皺をよせて、ハァーと長いため息をつく。
「本気で気づいてなかったのかよ
まぁそーだろうな、ゆあはいっつもけーちゃんけーちゃん言ってたからな」
だって、けーちゃん以外の男の人なんか目に入らなかったんだもん
正直、シンのこと"男"だって、意識もしてなかったし。
でも……
「ありがとね、ゆあもシン好きだよ」
それは嘘じゃないよ
「………っマジむかつく。」
シンは自分の頭をグシャグシャって掻いた。
それからボソッとすっごくすっごくちっちゃな声で何かを言った。
「俺は苺農家で修行すっかな…」
「え?」
「なんでもねーよバーカ」
シンはニヤッと笑って、氷の入った袋をゆあの目のとこに押し当てた。
「いーやー!冷たーい!」
意識しなきゃ気づかなかった
シンがゆあにすっごく優しかった事