ストロベリーショートケーキ
だいすきな、けーちゃんへ。
「シン速くーっ!遅れちゃう!!」
「大丈夫だっつの、バスまだ5分あんだろ」
「5分"しか"だよ!!!」
けーちゃんがフランスに行って3年がたつね。
ゆあはぴかぴかの大学生になりました。
シンは相変わらずお寝坊さんだけど、一人でネクタイは結べるようになったよ。
「シンゆあより頭いいから、もっと上の大学いけたのに
大学もいっしょなんて、本当ゆあのことすきだよねー」
「好きで悪いかバカゆあ」
それからやっぱり口は悪いままです。
おばさんに今度帰ってくると聞いたので楽しみです。
早く会いたいな。
ゆあ
「あ、そういえば兄貴1週間後に帰ってくる予定だったけど、延期なったらしい」
シンが靴を履きながら、ぼそっと重大発表をした。
「えー!!!なんでなんでなんでなんで
ゆあすっごく楽しみにしてたんだよ!!?」
「知らねーよ、何かと忙しいんじゃねーの」
「なにそれー
もう、けーちゃんなんか知らないっ」
「じゃー俺に乗り換える?」
「入学初日からふざけないでよっ!ほら早く行こっ」
シンが靴を履いたのを確認して、玄関のドアを開ける。
その瞬間甘ーい匂いが漂って、それから、待ってたあの笑顔があった。
「おかえりっ!!!」
「ただいま」
だいすきなけーちゃんを見て、ゆあの顔はまたイチゴになった。
- END -