893〜ヤクザ〜
「おんどれ! 今 客にだんご売らへんかったか!!?」



「いや売ってないっす!!!むちゃむちゃよぉ焼きました!!!!!」



殺される!!!

すでにわしの心臓は破裂寸前やった。



すると組長さんは突然店に入り、足元に置いてある2つのバケツに目をやった。



卵入り生地のバケツと卵抜き生地のバケツ……



(や……やばひ!!!)



その微妙に黄色い生地のバケツ、すなわち卵入りの生地を組長さんは少し指につけ、直接舐め始めた。



「…………………。」



「おい……。」



昔からタコ焼きという商売に携わっていた組長さんには、すぐに卵入りだという事がバレてしまった。
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