893〜ヤクザ〜
わしに気付いた原田さんは、SOSを目で訴える。
「姐さん!!平尾来よりましたで!!」
「おー平尾お疲れさん♪疲れたやろ〜。ご飯食べたんか?」
「いや、まだですけど!!」
「若いから食べやんでも死なへんわ。ほな行こか。今パパ家でテレビ見てはるから車で待機しとくで。原田早よしぃ!!行くで!!!」
姐さんの軽い冗談にさえ反応する間もなく、わしは2人の後ろをついて行った。
ナンセンスなスパンコールのセーターを着た姐さんを先頭に、3人は事務所を出て原田さんが借りてきたレンタカーへと乗り込んだ。
そして車を本宅のすぐ脇に停め、組長さんが出てくるのを息をこらしてジッと待つ。
「・・・・・・・・・・」
そんな静まり返った中、緊張をほぐすかのようにわしの腹の虫が鳴った。
グルルルル……
「……平尾お腹減ってるんか?笑」
「い……いや大丈夫っす。(さっき飯食うてへん言うたがな……。)」
「これ食べとき。」
そう言って姐さんは、パンパンに膨れ上がった小さな赤いキンチャク袋を開け、中からクリームパンを取り出した。
「姐さんそのカバン、クリームパンだけでいっぱいになってますやん(笑)」
「原田は黙っとけ!!うちはお腹空いた時用にいつもカバンに食べるもん入れてるんや!!!なぁ〜平尾、遠慮せんと食べ♪」
「あーはい、す…すんません。」
(刑事やないんやから……。)
甘ったるいクリームパンはわしには少々キツかったが、それでも空腹は和らいだ。
「姐さん!!平尾来よりましたで!!」
「おー平尾お疲れさん♪疲れたやろ〜。ご飯食べたんか?」
「いや、まだですけど!!」
「若いから食べやんでも死なへんわ。ほな行こか。今パパ家でテレビ見てはるから車で待機しとくで。原田早よしぃ!!行くで!!!」
姐さんの軽い冗談にさえ反応する間もなく、わしは2人の後ろをついて行った。
ナンセンスなスパンコールのセーターを着た姐さんを先頭に、3人は事務所を出て原田さんが借りてきたレンタカーへと乗り込んだ。
そして車を本宅のすぐ脇に停め、組長さんが出てくるのを息をこらしてジッと待つ。
「・・・・・・・・・・」
そんな静まり返った中、緊張をほぐすかのようにわしの腹の虫が鳴った。
グルルルル……
「……平尾お腹減ってるんか?笑」
「い……いや大丈夫っす。(さっき飯食うてへん言うたがな……。)」
「これ食べとき。」
そう言って姐さんは、パンパンに膨れ上がった小さな赤いキンチャク袋を開け、中からクリームパンを取り出した。
「姐さんそのカバン、クリームパンだけでいっぱいになってますやん(笑)」
「原田は黙っとけ!!うちはお腹空いた時用にいつもカバンに食べるもん入れてるんや!!!なぁ〜平尾、遠慮せんと食べ♪」
「あーはい、す…すんません。」
(刑事やないんやから……。)
甘ったるいクリームパンはわしには少々キツかったが、それでも空腹は和らいだ。