893〜ヤクザ〜
姐さんは顔の大きさくらいあるジャッキを振り上げると、組長さんの車のサイドミラー目掛けて力いっぱい振り下ろした。



「ちょ!姐さ…!!!」



ガッシャーーン!!!ガンガンガンッ!!



姐さんはまた反対側に回り、もう片方のサイドミラーを破壊し始めた。



「!!!!!!!!!」



とうとう組長さんの車のサイドミラーは、いとも簡単に両方とももげてしまった。



「ね……姐さん!!!!!!」



不気味な笑みを浮かべながら帰ってきた姐さんは、何事もなかったかの様に助手席にちょこんと座った。



「ほな行こか。」



「姐さん知りまへんで……。」



助手席に座った姐さんの膝の上には、サイドミラー2つが綺麗に並べて置かれとった。
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