893〜ヤクザ〜
それから数日後の昼過ぎ、わしは姐さんのつかいで近くの酒屋に組長さんの日本酒を買いに行った。
その酒屋は昔から付き合いがあるらしく、なかなか手に入らない酒も色んなルートで仕入れてくれている。
日本酒の良さが全く分からなかったわしには、そんな事全くどうでも良かった。
そしてレアな日本酒を購入し、店長さんと楽しくもない世間話を少しした後、本宅に帰った。
本宅のドアを開けると、ストーブがムンムンと焚かれており、冷え切った体をじんわりと暖めてくれる。
買ってきた日本酒を見せようと、わしは姐さんがいる居間へと向かった。
(ん………?)
ふと見ると、姐さんは裁縫バサミで何か布キレのような物をスパスパと切っとった。
「あっ……姐さん帰りました。」
「あーお疲れさん。ほなもうええで。事務所なと行ってみんなと喋っておいでー。」
姐さんはそう言うと、再びわしに背を向け黙々とハサミを動かし始めた。
「あっ……はいありがとうございます。」
そう言ってわしは気にする事もなく、日本酒を机の上に置こうとした時、姐さんの手元を見てわしは自分の目を疑った。
その酒屋は昔から付き合いがあるらしく、なかなか手に入らない酒も色んなルートで仕入れてくれている。
日本酒の良さが全く分からなかったわしには、そんな事全くどうでも良かった。
そしてレアな日本酒を購入し、店長さんと楽しくもない世間話を少しした後、本宅に帰った。
本宅のドアを開けると、ストーブがムンムンと焚かれており、冷え切った体をじんわりと暖めてくれる。
買ってきた日本酒を見せようと、わしは姐さんがいる居間へと向かった。
(ん………?)
ふと見ると、姐さんは裁縫バサミで何か布キレのような物をスパスパと切っとった。
「あっ……姐さん帰りました。」
「あーお疲れさん。ほなもうええで。事務所なと行ってみんなと喋っておいでー。」
姐さんはそう言うと、再びわしに背を向け黙々とハサミを動かし始めた。
「あっ……はいありがとうございます。」
そう言ってわしは気にする事もなく、日本酒を机の上に置こうとした時、姐さんの手元を見てわしは自分の目を疑った。