893〜ヤクザ〜
――それから約10分が経とうとするが、全く出て来る気配がない。

それどころかこっちまでお腹が痛くなってきた。



This is もらい下痢。




だがトイレットペーパーを巻くあのカランコロンカランコロンという音さえも聞こえてこない。



「原田君まだですか!!!」



喝をいれる様な口調でわしは叫んだ。



その瞬間、ジャーと水を流す音が聞こえ、ようやくドアが開いた。



「え……?ちゃんと拭いたんすか??紙の音しませんでしたよ??」



「拭いたわい!!!そぉっと拭いてたんや!!!お前そこにおる思たらちょっと恥ずかしなったんじゃ!!!」



「………………………。」



「姐さんどこにおる!!!」



「あっ……本宅にいてはります!!!」



「分かった……!!!組の人間にはこの事黙っとけよ……!!!」



「はい!!!!!」



お腹のゆるい原田君が、腹をくくった。
< 61 / 103 >

この作品をシェア

pagetop