893〜ヤクザ〜
そしてトイレを飛び出した原田君の後を、わしは必死に追いかけた。
(俺こんな……ヤバイ状況に居てええんかよ……。)
不安の汗が流れ落ちる。
本宅の玄関を開けると、そこにはさっきと同じ真剣な眼差しで両手を組む姐さんが仁王立ちで待ち構えとった。
足元にはあの黒いゴミ袋。
「遅いやないか原田!!!」
原田君の姿を見るなり、目くじらを立てて怒鳴り付ける姐さん。
「すんまへん!!!」
「あんたには説明せんでもだいたい分かるわな。極道の仕事や。誰にも見られんように山に埋めてきぃ。あんたも中見るんやないで!!!」
「分かっとります……。」
一言そう返事した原田君はその大きな黒いゴミ袋を、まるで時限爆弾を扱う様にそぉっと持ち上げた。
「行ってきます………………。」
そう言って本宅を出る原田君の背中を、わしはただ呆然と見守る事しか出来んかった。
(俺こんな……ヤバイ状況に居てええんかよ……。)
不安の汗が流れ落ちる。
本宅の玄関を開けると、そこにはさっきと同じ真剣な眼差しで両手を組む姐さんが仁王立ちで待ち構えとった。
足元にはあの黒いゴミ袋。
「遅いやないか原田!!!」
原田君の姿を見るなり、目くじらを立てて怒鳴り付ける姐さん。
「すんまへん!!!」
「あんたには説明せんでもだいたい分かるわな。極道の仕事や。誰にも見られんように山に埋めてきぃ。あんたも中見るんやないで!!!」
「分かっとります……。」
一言そう返事した原田君はその大きな黒いゴミ袋を、まるで時限爆弾を扱う様にそぉっと持ち上げた。
「行ってきます………………。」
そう言って本宅を出る原田君の背中を、わしはただ呆然と見守る事しか出来んかった。