虹色ハート

生後20日目

 今日もアンナは血漿交換をしました。
 血漿交換をした直後はビリルビン(赤血球中のヘモグロビンが壊れてできる色素)の数値が下がるけれど、やっぱりまた上がってきちゃうから、何日か続けてやるそうです。

 今日の午後は黄疸がひいて、アンナは赤くのぼせたような顔色でした。
 ずっと黄疸の肌ばかり見ていたので、こんな顔色のアンナは初めてです。
 やっと『普通の赤ちゃん』という感じかな。
 普通ってこんなに素晴らしい事なんだ。
 このまま血漿交換が効いて、黄疸が減り、オシッコが出ますように…。
 それは欲張りだよね。

 沈静はしていないのに夕方になると、疲れで眠ったようになって目も開けていられませんでした。
 だから、ママとパパが面会に来てくれても反応さえ出来ません。
 昼間の処置中は痛くてつらいから目をキョロキョロしてるのに、パパとママが来ると安心してウトウトしちゃうんだ。

 先生がパパとママにちょっぴり意地悪を言いました。
「昼はこれでもかっ!てくらいに起きてるんだけどなあ。目も二重でクリっとして可愛いですよ。今、起きないなんて残念ですねえ。惜しいですねえ」
 パパもママもガッカリ。
「先生ばかりズルイなあ。ママは淋しいよ」
「アンナ、起きろ!パパは先生じゃなくて俺だぞ!バカーッ!」
 看護師さんたちまで笑っています。
 ICUに笑い声は不謹慎なのかも知れないけど、先生やスタッフの方々が砕けた話しやすい感じの人ばかりなので、パパとママがかなり救われているみたいです。
 アンナも明るい笑い声が大好きだよ。

 ママは帰りがけに看護婦さんに呼ばれ、交換日記をする事になりました。
 要望や言いづらい事、不安や心配など何でも書くらしいです。
 もしかしたらアンナの悪口かな?
 アンナも字が書けたらいいのになあ。

 明日は体が少しでも楽になって起きていたいです。
 そして、ママとパパにパッチリのお目々を見せてあげるね。
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