虹色ハート
 おねえちゃんは家に帰ってからもアンナのことばかり話していました。
「アーニャ、グーした」(アンナをギューしたよ)
「アーニャ、アンヨ、イテテー」(アンナの足が点滴やらで痛そう)
 お風呂入る時、洗濯物の中にアンナの小さな帽子を見つけました。
「アーニャの!」
 ニコニコしながら自分の頭にかぶろうとしたそうです。
 ママが寝付かせる時もアンナの事ばかり。
「アーニャ、ネンネ?」
 クマのぬいぐるみの背中を優しくトントンしています。
「アンナを寝かせてあげるの?」
「うん!」
 おねえちゃんは満面の笑み応えました。
 ママの瞳から涙が溢れます。
 おねえちゃんもこんなにアンナの帰りを待っているんだ。

 おねえちゃんはアンナに会える日を待ち望んでいてくれたんだね。
 アンナに会えるまで10ヶ月以上も頑張ってくれたんだね。
 あまりに短い時間だったけれど、アンナの大切な宝物です。
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