美女の危険な香り
 一口に肉と言っても、全国にチェーン店を構える牛丼屋の牛丼かファーストフード店のハンバーガーぐらいしか食べられない。


 今井商事は亡き父信太郎が作ってくれた。


 今は世界展開する商社に成長している。


 そんな大会社が大磯グループという、およそ業界では新興勢力に過ぎない会社にちょっかいを出されているのだ。


 単に俺の嫁である優紀子が香原財閥の一人娘で、政略の名の下、結婚させられ、嫁いだ優紀子も愛人と遊んでいる。


 俺はいずれ決着を付けなければと思っていた。


 一つはっきりと言えるのが、大磯健介を香原財閥に養子で入れないということだ。


 健介が跡継ぎに入らなければ、俺は次なる手で思い切った策を取ることが出来る。


 それは香原財閥の保有する株を今井商事の金で残らず買い取り、俺が事実上香原財閥のオーナーになるということだ。


 一社の株を買い占めてしまうぐらいの金は潤沢にあった。


 俺は仮にそうなってきた場合、古雅や高橋などを追い出してしまって、全て新しいスタ
< 102 / 192 >

この作品をシェア

pagetop