美女の危険な香り
 必ず優紀子と別れると。


 そして千奈美と一緒に生きていくことを。


 彼女は若いので勢いがある。


 ただ、俺はそれに十分付いていけそうだった。


 二人でいられれば何も怖くないと思っていたし、実際俺と優紀子の結婚生活は破綻していたのだから……。


 ろくに口も利かなければ、目立った接点もなくなってしまった。


 俺は夢見ていた。


 千奈美との新婚生活を。


 それに新生今井商事の指針を。


 古雅と高橋は必ず追い出す。


 あの連中のいいようにはさせないつもりでいた。


 社長であるのは俺だから、俺が全てを決めるのだ。

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