美女の危険な香り
　考えてみれば、俺は四十代だ。


　今の千奈美との性生活が精一杯で、これ以上、新しい恋を始めるのは無理に程近い。


　優紀子は今頃、誠と仲良く過ごしているのだろう。
　

　無事離婚すれば、彼女は法律による定めで半年間結婚できない。


　誠はそれまで待つつもりなのだろう。


　ちょうど今が新年始まってすぐだから、俺は今月中の離婚を考えていた。


　円満に別れるために、互いに話し合うつもりでいる。


　俺もさすがに慰謝料を請求されるのは頭が痛い。


　ただ、支払い終われば、後は自由である。


　千奈美との新婚生活に力を注げばいい。


　俺自身、彼女と籍を入れることに躊躇いはない。


　むしろ早く結婚したいと思っているぐらいだった。


　気に掛かる点もある。
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表紙・目次

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