美女の危険な香り
 俺はここのところは強行軍でいくことにした。


 陣頭指揮を執る社長として、選択を迫られるからだ。


 今井商事にとって今必要なのは、両社の株の買占めだった。


 あらゆる手段を使ってでも株を買い取ってしまう。


 そして完全子会社化し、三社が合流する形で、新しい今井商事を作る。


 これが出来れば、会社は一気に発展していく。


 何せ両社にいい人材が溢れているからだ。


 古雅や高橋などとは比較にならないぐらい、いい人間たちが。


 若い社員だと二十代、それに三十代から五十手前ぐらいまで、優秀な人間たちが多数揃っている。


 俺はその人間たちに新生今井商事の舵取りをさせるつもりでいた。


 要は可能性ということである。


 俺がそういった連中を自社に引っ張り込んでくれば、間違いなく社は変わるのだ。
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