美女の危険な香り
 チェックした書類を運んでもらうためだ。


 すぐに秘書課長の高畑優梨子が来て、


「社長、どうなさいました?」


 と訊いてくる。


「ああ、君か。書類、運んでくれない?」


「ええ、分かりました」


 高畑はそう言って、書類の山を抱え、社長室から運び出す。


 俺は午前中こなす分の書類が全て片付いたことを確認し、


「午後からの執務の分も置いててくれよ」


 と言った。


「分かりました」
 

 高畑が頷き、


「失礼いたします」
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