美女の危険な香り
 向かいが海なので、逃げようがない。


 誠は俺たちを付回して、隙があればすぐさま刺し殺すつもりでいるようだった。


 しかも一番凶悪な滅多刺しというやつで……。


 俺たちは思わぬところで思わぬ人物から報復されることになる。


 自分にとって都合の悪い人物を消すことぐらい、誠にとって簡単なことらしい。


 まるでゲーム感覚のように……。


 誠が飛び込んでくる時刻が刻一刻と迫りつつあった。


 俺はここに来るまでに何か異変を感じ取っていたのだが、それが物の見事に当たることになる。


 そして俺は人生最悪のときを味わう羽目となるのだ。


 誠の手に握り締められた鋭いナイフにより……。
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