美女の危険な香り
 それから先の俺の現世での記憶は一切ない。


 ただ素直に思えるのが、来世でも再来世でも千奈美と出会って、一緒にいたいということだった。


 俺の抱く想いはきっと千奈美に伝わったはずだ。


 それがたとえ、死の直前の人間の気持ちだったにしても……。


 桂浜には絶えず波が押し寄せている。


 海の水は地球が終わるまで止(とど)まることを知らないのだし、枯れ果ててしまうこともない。


 ザーザーという音を立てて、半ば無情なまでに……。


                     (了)
< 192 / 192 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

歌舞伎町ボーイズ

総文字数/65,736

ミステリー・サスペンス273ページ

表紙を見る
週刊誌ライター

総文字数/207,426

その他902ページ

表紙を見る
ブラッド

総文字数/90,535

ミステリー・サスペンス349ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop