美女の危険な香り
 社長室の隣にある秘書課の秘書の女の子たちは皆若い。


 彼女たちは俺にコーヒーを淹れたり、会議用の資料のコピーを取るなどの雑用をこなしたりして、昼になると揃ってランチに行くのだ。


 六本木近辺にはランチ専門店が結構多い。
 

 俺はそういった場所で飯を食わずに、普通に昼間はステーキハウスに入る。


 そこの店長と俺は懇意にしていた。


「こんにちは、店長」


「ああ、今井さん。こんにちは」


「今日もいつもの頼むよ」


「分かりました」


 俺はステーキハウスに行くと、いつもサーロインのセットを注文するのだ。


 メインの牛肉に、炊き立てのほかほかしたライスと野菜サラダ、飲み物はコーヒーだった。


 俺自体、別にそんなに贅沢しているつもりはない。
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