美女の危険な香り
第5章
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 六本木の目抜き通りに、カフェ<スルプ>はあった。


 スルプのマスターは俺と馴染みで、互いに顔を合わせれば、ツーカーで通る仲だ。
 

 実際、俺は毎朝ここでモーニングを食べて、出社しているのだった。


 家には優紀子がいて、とてもじゃないが居場所がない。


 それに彼女につるむ誠の存在がある。


 俺は家には寝に帰るだけで、後は会社で時間をやり過ごしていた。


 俺自身、家庭のストレスを仕事で解消していたのだ。


 俺はスルプの扉を押し開け、店内へと入っていった。


 初老のマスターが、


「おう、今井さんか」


 と言い、笑顔で出迎えてくれる。


「そっちの女の子は誰なの?」

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