美女の危険な香り
「ああ。俺の夜の友達」


「愛人ってやつかい?」


「そんな、愛人だなんて大げさな」


「でも付き合ってるんだろ?」


「うん、まあな」


 マスターは年齢を重ねていて、一際好色だ。


 俺に千奈美のような若い女が相手としていても不思議とは感じていないらしい。


「いつものモーニング頼むよ。彼女にはコーヒー淹れてあげて」


「ああ、分かった」


 マスターはまず二人分のコーヒーを淹れ、カウンター席に座っていた俺たちの前にそれぞれ置く。


「ああ、ありがとう」


「ありがとうございます」

< 24 / 192 >

この作品をシェア

pagetop