美女の危険な香り
第7章
7
ビル内へと入っていき、フロアを突っ切ってエレベーターホールまで行くと、常務の古雅が擦り寄ってきた。
普段からろくに仕事らしい仕事はしないバカで、部下たちに仕事を丸投げしているこの男は俺から見ても――というか誰が見てもそうなのだが――、能無しだ。
専務の高橋も近寄ってきて、
「社長、おはようございます」
と言ってくる。
「ああ、おはよう」
「今日はお昼の三時前から社の定例会議が入っておりますので、ご出席願います」
「分かった。開始十五分ぐらい前に、社長室の固定に連絡入れてくれ」
「了解いたしました」
俺は古雅も高橋も、どうせ仕事らしい仕事は一つもしないで威張っているのだから、性質(たち)が悪いと思っていた。
二人とも先代社長の信太郎のときからいるので、簡単に首を切れない。
ビル内へと入っていき、フロアを突っ切ってエレベーターホールまで行くと、常務の古雅が擦り寄ってきた。
普段からろくに仕事らしい仕事はしないバカで、部下たちに仕事を丸投げしているこの男は俺から見ても――というか誰が見てもそうなのだが――、能無しだ。
専務の高橋も近寄ってきて、
「社長、おはようございます」
と言ってくる。
「ああ、おはよう」
「今日はお昼の三時前から社の定例会議が入っておりますので、ご出席願います」
「分かった。開始十五分ぐらい前に、社長室の固定に連絡入れてくれ」
「了解いたしました」
俺は古雅も高橋も、どうせ仕事らしい仕事は一つもしないで威張っているのだから、性質(たち)が悪いと思っていた。
二人とも先代社長の信太郎のときからいるので、簡単に首を切れない。