美女の危険な香り
 俺自身、都内にキャンパスを構える一流半ぐらいの有名私大在学中は、派手に遊んでいたのだ。


 信太郎が車など、遊興に必要なものはいろいろと買ってくれていたので、俺は完全にボンボンで育っていた。


 経済学部にいたが、同じ学部の、しかも同じ専攻の女の子たちとは一緒に遊びに行っていて、羽目を外すことが多かった。


 今は彼女らもすっかりオバサンで、家庭があるのだろうが、当時は女子大生というのがまだ珍しい時代だったのだ。


 女性だと、せいぜい短大ぐらいまで出れば、後は結婚というのがベストな選択肢だった。


 俺はバブルの頃に青春を謳歌(おうか)していたので、生活感覚に関してはかなり贅沢だ。


 それに俺は実家から大学に通っていたのだが、通学するときも当時としては一番高い外車などを乗り回していた。


 別に普通に跡を取るので、俺自身、就職活動することは一切なく、キャンパスライフが終わってしまった。


 そして信太郎のコネで、今井商事に営業部長として入ったのだ。


 
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