美女の危険な香り
 確かに仕事の疲れをアルコールで晴らすのはよくないのかもしれない。
 

 だが俺自体、それぐらいしないと、仕事の後の疲労感が取れなくなっていた。


 致し方ないのである。


 いくら大手企業とはいえ、先頭に立って働く社長にとっては……。


 会議場に着くと、俺は迷わず中央にある社長席に座った。


 これから血の気のある若手の業務報告などを聞くことになるのだが……。


 会議は午後四時半までノンストップで、一時間半の日程が組まれていた。


 俺は席に座ると、両隣には古雅と高橋が座る。


 芸能人のゴシップ記事の類しか読まないこの連中はバカだなと、俺は腹の中では笑いながら……。


 そして会議が始まった。


 若手社員たちが次々に発言する。


 会議は実りあるものとなりつつあった。

< 56 / 192 >

この作品をシェア

pagetop