美女の危険な香り
第11章
     11
 九十分の会議が無事終わり、俺は社長室へと向かった。


 古雅や高橋も俺に付いてくる。


“こいつらは会社のガン細胞だな”


 俺は侮蔑するような目で彼らを見ていた。


 信太郎もこういった古いタイプの人間たちを切れなかったのだ。


 昔の今井商事と今のそれは全く違う。


 先代がいた頃は同族で馴れ合いでもよかった。
 

 今、日本中の企業でそういった経営方法を取っている会社は皆無に等しい。


 流通業界では最先端を行く今井商事は、昔の柵(しがらみ)からの脱却が必要なのだった。


 社長である俺にとってみれば、給料泥棒のような古雅たちは早く切らないといけないと思っていたし、今でも十分感じている。


“いずれはこいつらを処理できるだろうな”


 処理という汚い言葉を使わないといけないぐらい、俺は無能な部下たちを切る方法を考
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