美女の危険な香り
え続けていた。


 幸い若手が動いてくれている。


 いい方向に、だ。


 俺は今日の会議に参会して、有益な部下たちが今井商事の屋台骨(やたいぼね)を支えてくれるのを感じ取っていた。


 何度もくどいように言うが、今の今井商事に古雅や高橋は必要ない。


 そして俺は古雅たちが社を去れば、また大改革をするつもりでいた。


 信太郎の時代から溜まっていた負債を全部補填するのである。


 額にして、一千億近いぐらいの金が焦げ付いていた。


 これを残らず埋めてしまえば、後は会社が更なる成長を遂げていくはずだと思っていた
し、実際そうなのだ。


 俺は社長室に入り、残りの執務をこなす。


 午後六時を回った頃、秘書課の課長である高畑優梨子が、


「社長、コーヒーどうぞ」
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