美女の危険な香り
第12章
     12
「飯食いに行こうか?」


「ええ」


「何が食べたい?」


「あたし?あたしは和食」


「和食って、あっさり系がいいのか?」


「うん。だって昼はいつもジャンクフードばっかだし」


「じゃあ、和食食いに行こう」


 俺は六本木に美味しい和食専門店があるのを知っている。


 若者が多いにも関わらず、この街にはそういった店がずらりと軒を並べているのだ。


 俺と千奈美がコーヒーショップの出入り口でコーヒー代を清算して、歩き出す。


 街の中は来月がクリスマスなので、人で賑わっている。


 俺たちは並んで歩きながら、早々とライトアップされたクリスマスのイルミネーションを見続けた。
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