美女の危険な香り
 ストレスもエネルギーに変えられると思っていて……。


 その夜、俺と千奈美は海老原で食事を取ってから、近くのホテルへと向かった。


 普通のシティーホテルで、料金も並だ。


 俺たちは部屋に入って早々、暖房を入れて室内を温めてから、キスし合ってゆっくりと抱き合い始める。


 腕同士を絡め合わせて。


 何度も何度も納得が行くまで繰り返し抱き合う。


 その行為だけで、俺の負った深い傷は癒された。


 俺は自分に言い聞かせていた。


「いずれ時が全てを解決してくれるだろう」と。


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