美女の危険な香り
 ところが、その夜だけはなぜかしら、そのエネルギーに満ち溢れていた。


 俺自身、普段からストレスや心配事などを抱え込んでいるのだが、そんな中での性交も上手くいったのだ。


 俺たちは性器同士を結合させて交わりながら、熱い吐息を吐き出す。


 俺が千奈美の全身の性感帯を残らず愛撫し終わって、彼女の膣内で射精した。


「もうちょっと抱いてて」


 千奈美がそう言い、俺をベッド上に留(とど)める。


 だが、俺は喉が渇いていたので、ゆっくりとベッドから起き上がり、リビング横のキッチンへと入っていった。


 冷蔵庫を覗き込むと、中にはミネラルウオーターの入ったペットボトルが二本ある。


「飲む?」


 俺はキッチンとリビングの薄い壁越しに訊いてみた。


「……うん」

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