美女の危険な香り
「うん。まあ、そう言われれば確かにそうなんだけどね」


 千奈美が頷き、俺がサイドテーブル上に置いていた、グラスに半分ほど残っていた水割りを一気に飲み干した。


 喉奥が焼けるようにカーッと熱くなる。


「フゥー」


 思わず吐息が漏れ出、俺はベッド上に横になり、体の節々(ふしぶし)をストレッチした。


 普段から座り仕事で、筋肉が硬くなり、幾分強張(こわば)っているのが自分でも分かる。


「浩介さん」


 俺の脇にいた千奈美が上目遣いで、見てくる。


 この目付きは何かあるときにするそれだ。


「どうした?」


「あたし、オジサン好きなの」


「オジサン好き?」

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