恋人[短編]
宮嶋が赤くなる。
口を少し開いて、「俺は……」と言った。
黙って、次の言葉を待つ。気を抜くと、緊張しすぎて足が震えそうだった。
「………だょ」
「え?」
声が小さくて、聞こえない。
「お前が好きだっつってんだろ!!!」
少しキレて言う宮嶋。
っていうか、そこキレる所じゃない。
でも、そのことで怒る余裕はなかった。だって、宮嶋の言葉を理解するので精一杯だったから。
意味はたった一つ。
私たち、両想い??