恋人[短編]
私は、そりゃあかわいいけど。
自覚してる、自分はかわいい。
母親だって50間近だけどそれなりに美人だし、父親だって男前。
その遺伝子を受け継ぐ私がかわいくないわけがないのよ。
でも、かわいいだけで好きな人に告白してもらえたら苦労はしない。
だって、人にはいろんな好みがあるでしょう。
ブサイクが好みな人だって、世の中に入るわけで。
宮嶋の好みなんて、知らないし。
もしかしたらだけど、ブサイクが好みかもしれない。
そう考えると、不安になってくる。
でも、その不安を解消するために告白しようなんて言う気は起きないの。
なぜか分からないけど、宮嶋の前で素直になることは難しい。