恋人[短編]




席に戻る宮嶋を見送る。

私の至福の時間が終わる。


戻ってしまった、あの席に。絵美の、隣に。


「あー、宮嶋君っ! あのねー、今ぁ、友達と話してたんだけどねぇ、彼女と初デートって……」


会話が続いていく。


イライラ。

イライライライラ。



私のイライラメーターが急上昇している。



喋らないでよっ!
宮嶋と喋っていいのは私だけ。
宮嶋に笑いかけてもらうのも、私だけ!!



───なーんてね。



彼女じゃないんだから。

彼女だったとしても行き過ぎている気がする。



嫉妬心強すぎて、宮嶋に嫌われたら元も子もない。




< 7 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop