月と薬指

今朝、

出勤してきた時には、

すでに彼女は資材管理部へ行った後だった。


本当、

真面目な人なんだから。


でも、いい。

今日は、忘年会。



車通勤だから、お酒は飲めないけど、

何かあったらいぃなぁ~。

何かいい事♪



「なんつぅ顔してんだ?そんなに資料整理が楽しいか?」



げぇっ!?

冬月さんじゃないですか!?

最悪だ。

もう嫌だぁぁぁぁぁーっ!!



「なんっスか?!急にっ!びっくりしたぁ~」



やばい、

今日も可愛いっス。


いつも、

髪の毛なんて、なんにもしてないのに、

今日は可愛くアップスタイルなんですねぇ~♪



「そんなに整理好きなら部署変えすっか?」



「とんでもないですっ!!

 オレ、今のとこのままでイイですっ!!」



声、

裏返って必死になってる。

それもこれも、全ーっ部、

貴方のせいっ!!



「こりゃ、1日仕事だな。ちゃんと定時上がりしろよ。」



「もちろんですっ!」



あ、

もぅ、

帰るんですかぁ~、


そぅですかぁ~、

何しに来たんスかぁ~?


えっ?

もしかして、

オレの様子を見に来てくれたとか?!


< 14 / 53 >

この作品をシェア

pagetop