月と薬指




「・・・おい、おめぇ、何ボーッとしてんだ?!チャッチャとせんかぁ~」



はい、すみません。

あなたに見惚れていましたとは、

口が裂けても言えません。


なんせ、

しがない平社員ですからね・・・

僕みたいな後輩には、

仕事以外では、まったく関心ないですよねぇ・・・


卑屈になったところで、

冬月さんへの気持ちが変わるわけでもなく、

昼食後の睡魔と、

そして膨大な量の仕事と闘う。


入社してもうすぐ1年。


必死になって働くことに意味なんてほとんど感じない。

そんな僕が未だにココにいるのは・・・


ほぼ、


あなたのためですよぉぉぉぉぉーっ!!


大好きなんですよぉぉぉぉーっ!!



「・・・っくっそぉぉぉ・・・」



あぁ、出ました。

本日8回目の・・・

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