モドリミチ
鳳仙花


永遠だと思っていた




永遠など いらないと思った




この思いが怖かった


私を忘れてしまうだろうことが


私が許してしまうだろうことが




もう きっと


どんなに走っても


あなたには追いつけなくて


それでもいいのだ と


すわりこんでしまうことが


怖くて


怖くて




赤い赤い この花が


はじけて


飛び散っても


私は もう 走ることなく


空を見上げたまま座り込んで


ただ


あなたを想って




あなたの愛した この体を抱いて


きっと泣くだろう




< 8 / 27 >

この作品をシェア

pagetop