彼氏キケン地帯
再び、尚を見つめた。
胸の鼓動がやたらとリアルに聞こえる。
尚が好き。
どんどん好きになっていく。
体を張って助けてくれた。
頭、打ってまであたしを助けてくれたんだ。
「尚―…ありがとう。」
ゆっくりと尚の頬を撫でた。
………はずだった。
尚に触れようとした手は、頬に触れる前に掴まれていた。
そして、その手は掴まれたまま尚の頬へと移動された。
「おはよ、蜜希。今日も可愛いね。」
「へ?」
ニコッと笑うのは、紛れも無くさっきまで寝ていた尚だった。
「お、起きたんだ。」
「うん」
さっきの尚が言ったことが、信じられなくてびっくりしているなか、当の本人はニコッとしている。
「あの…尚、頭だいじょうぶ?」
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