彼氏キケン地帯



「なんか、こいつが十歳の頃にいきなりな?
“酒くれよ”なんて言い出しやがって、こっちはびっくりしたのなんのって!!」


「えー!!」



十歳て…!!!


その頃、あたしはみんなより少し遅れて自転車(補助輪なし)を乗れるようになったばっかなんですけど!



「で。未成年に酒飲ませるわけにはいけねーから、漬けた梅とその汁を炭酸水で割ったやつ出して“これがチューハイだ”ってうそ言ってみた。」

「うぜー!」


尚が言う。

その話を聞いて、恥ずかしそうにウーロン茶を飲む尚の姿がカワイい。



「んで、カウンターでまだ床に届かない足をブラブラさせながら“これがオトナの味か…”とか言ってー!!笑っちったしー!」


「ぶー!!尚カワイイー!」


「うるッせぇーッ!!!」


にぎやかに話が盛り上がっていると、カウンターの方からもうひとり現れた。



「あっれー。尚じゃん!」


「美沙!」


(み、美沙だとー!?)



いきなり現れた女の子に、親しそうに話しかける尚をガン見した。

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