彼氏キケン地帯
「蜜希、美沙は昔からの馴染みで、妹的存在!」
そう尚が教えてくれて、少しはあたしも話の中に入れるかな?と思ったのはつかの間。
「あたしのが年上!お姉様的存在の間違いでしょ!」
「誰がだよ!勘違いはやめとけ!」
「ひっどーい!昔は“美沙ねえ”って言ってたのにー!」
「いつの話だよ!!」
またふたりで盛り上がってる。
なんだろう…。
どこか胸騒ぎがする。
すごく嫌だ。
見たくない。
ここにいたくない。
胸が苦しい。
ぼや〜っと、ひとり違う世界に行ってしまったような感覚だ。
ひとりじゃないはずなのに、孤独感がある。
胸の奥で、どこか気になる。
“お揃いのピアス”
胸の奥に、鈍い痛みが走る。
こんな小さなことなのに。
些細なことのはずなのに。
「尚。あたし、トイレ行ってくるね。」
ここにいたたまれなくなって、席を外そうと立ち上がった。
そこで、意外な人物に話しかけられる。
「あたしが場所、教えてあげるよ。」
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