彼氏キケン地帯


「ちょっ?!」



尚の家はもう、すぐそこだというのに…!!


あたしは見知らぬ男に連れ去られている。


冷や汗が出てきた。



あの口調…やっぱりどこかのヤクザだったんだ…!



今更になって後悔する。

もっと大人しくしていればよかった。


ストッキングくらい、我慢しとけばよかった。



そしたら、今頃…



ふっと尚の笑顔が浮かぶ。



「っんー!!!」


「∑?!!」



尚のはにかんだ笑顔を思い出し、頬を染め発狂するのを抑えるあたしの姿を見て、男は再びギョッとしていた。



家の中に連れてこられ、男の部屋だろうと思われるとこに無理やり入れられる。



「…なにすんのよ。」


「脱げ。」


「…ハ?!!」



男の言葉にあたしは固まる。


なに言ってんの?!

やっぱり、こいつそういうこと考えてるわけ?!


そう思うと、頬が熱くなり、視線を落とす。


ギュッと目をつむると、冷静さが生まれてくる。


ここって、男の子の部屋だよね…


あたしってば、初めて入ったよ…


いやいや、初めては尚の部屋だよ…




「ブツブツ言ってねーで、これに着替えろ。」


「え?!」



現実逃避をしていたあたしに、男がストッキングを渡す。



これってまさか…



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