彼氏キケン地帯
「あ…ありがと…」
さすがのあたしでも気づく。
冷静さを取り戻し、さっきまで睨みつけるように見ていた彼に対しての視線が緩む。
そんなあたしに、彼は「べつに…」と言った。
って、なるはずなんだけど…!?
「は?早く着替えろよカス。ふってー脚見せてんな。」
目の前の男は、さらに目つきが悪くなる。
あたしの脚を何度か見ると、男は鼻で笑った。
「…っ!」
屈辱的だけど、なにも言えない。
ストッキングを渡してくれたんだ。
あたしの脚が太いのも否定できない。
「…苺パンツ」
「は?!!」
そう言われて、さっき自分がストッキングを脱ぎながら発狂していたことを思い出す。
「色気ねー。」
「へ、変態っっ!!バカ!しね!!」
尚にだって見せたことないのに…。
と半泣き。
パンツ見られたというショックは思ったより大きい。
下を向いて羞恥に耐えるあたしは、窓の外を見て口元を緩める男に気づかない。
「そうだなぁ…」
「へ…」
肩を抱かれるように男に接近される。
首元に妖しく男の吐息がかかり、自然とビクッとなる。
「俺が、オンナにしてやるかな。」
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