彼氏キケン地帯



「なっ?!」


尚が真っ赤になるあたしを見て、眉をひそめた。


「蜜希、マジなにがあった?」


「ぱ、パンツを見られたと思われます…」



普段とまるで雰囲気の違う尚に、あたしは口をパクパクとしているしかできなかった。


隣の男はまだ笑っている。


「色気ねーな、って話してたとこなんだよ。このオンナと。なぁ?」


「サ、最低っ!!」



半泣きで尚を見ると、すでに男を殴っていた。



びっくりして動けなくなるあたしに、尚は更に男を殴る。



生々しい音とともに、男の顔が腫れていく。



「ちょ、ちょっと尚…」


スッと立ち上がると、尚はあたしの腕を引きこの家を出て行った。



何もしゃべらない尚。


男から離れて、内心ほっとしているけれど、まだドクンドクンと自分の鼓動が聞こえた。



_
< 134 / 191 >

この作品をシェア

pagetop