彼氏キケン地帯


その場が、シンとした。

尚が怒ってるってわかった。


沈黙が辛い。



「…なにそれ。」


「…」


「見せてよ。」


「…んなこと、できっかよ。」



写真をぐしゃっと握りしめる尚。


手はふるえている。



なにか隠してるって思った。



「…今日は帰れよ。」


「は…」



冷たく尚の声が響いた。

目は伏せていて、どこを見ているかわからない。


「いいから…帰れよ」


初めて浴びせられた冷たい一言。


あたしは何も言わず、家を出ていくしかできなかった。




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