彼氏キケン地帯



「ちょっ?!や…っ」



一気に体が日照る。


だけど、それは一瞬で、尚は体を離しあたしをじっと見ると、眉をひそめた。



「お前…これなんだよ。」


「え…」



驚いて尚を見れば、尚の視線はあたしの首筋に向けられていた。



その瞬間、斉藤との行為を思い出し、バッと手で隠したけれど、それはもう遅い。



「…誰だよ。」


「え、えっ…と」


「何してんだよ。」


「ちっ違…っ」



“違うよ、信じて”そう言い終わる前に、尚の唇にそれを遮られた。


強引で、あたしに有無を言わせないような激しいキス。


だけど、甘くとろけるような感覚に、胸が高鳴る。



斉藤とは違う。


尚の腕の中で

尚の匂いに包まれて

尚のキス。



目をとろんとさせていると、尚の手が太ももを撫でた。



「ちょ…っ」


「うっせ…黙って抱かれてろ。」



尚の余裕のない表情と言葉に、あたしは体を強張った。



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