彼氏キケン地帯
あの時みたいだ…。
あの日、あたしが尚の家に行った日。
今でも鮮明に覚えている、あのストッキング事件。
人に“苺パンツ”なんて二度も…
あの変態を尚がめちゃくちゃ殴ってたときは、正直怖かった。
あたしはソイツに、なにかされたわけじゃないし…パンツ見られたくらいで。
それなのに、尚はとても怒ってて…
「テメェー誰の女に手ぇ出したかわかってんだろーな?」
冷めたような瞳。
あのときより、もっとその瞳は冷たくて、尚が尚じゃない気がしてくる。
尚の全部を知りたいと言ったのはあたしなのに、今目の前にいる尚が怖いだなんて…
あたしのために怒ってくれてるのに、ガラスが割れる音よりも尚が怖いだなんて…
「尚…っ」
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