彼氏キケン地帯
ぎゅうっとすがりつくように抱きしめられる。
そんな尚は少し震えているようにも思えて、思わずなだめるように頭を撫でていた。
「…ヤキモチ、妬いてたの?」
「………うるせえ。」
もしかして、教室までわざわざ来たのって…
いや、まさか。
そんなのって自惚れてる。
でも、でももし、人前が苦手な尚が神崎くんに見せ付けるために来たとしたら、それはすごく可愛い。
「尚、ほんっと子供だよね。」
可笑しくて、笑いながらそう言ったら、キスをされていた。
尚は座っていて、あたしはそんな尚を包み込むように膝たちをして抱き合っている格好で、下からのキスに戸惑う。
久しぶりだというのに、とても強引な彼。
(は、初めてのシチュエーション…っ!!)
頭はパニック。
ドキドキは最高潮。
彼は強引で、ちょっと意地悪で、でもどこか可愛くて。
やっぱり、あたしはそんな彼にたじたじで。
それが嬉しいから、そんな自分に目眩がしそうで。
長くて甘いキスに、息もままならない。
苦しいのに、嬉しい。
(やっぱり路線はM街道…)
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