彼氏キケン地帯


その瞬間、火がついたように火照る頬。


なんて素直な体っ!


自分でも驚いてしまうほど心臓がバクバクしている。



それを気づかれたくなくて、あたしは一生懸命口を開く。


「だ、だって尚が頭なでられるの嫌なんて知らなくてっ!ごめんてば!」


「お前の好きな"可愛い"はなんだか知らねーけどな、可愛がられるのは趣味じゃないの。」


「わっ」


腕を引かれ、体を起こされると、座ったままギュッと後ろから抱きしめられる。


首の辺りに尚の顎が乗っかっていてくすぐったい。



甘えてるのかな…


すりすりと猫みたく体を擦り寄せてくる。



可愛い…

なんて言ったらまた怒られるかもしれないから、それは密かに胸の奥にしまっておいて、と…。



せっかく尚とくっつけるんだもん。


もっとぎゅってされたい。


キス…したい。



もぞもぞと動き出したあたしに、尚が「ん?」と不思議そうに顔を覗いてくる。



そんな尚の顔に近づいて、ちゅっと唇をくっつけてみた。



「!!?」



尚を見てるみると、珍しく頬を染めて戸惑っている。



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